つれづれなるままにWINGSFAN
Tribute Vlog for Paul McCartney & Wings
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Author:wingsfan

ポール・マッカートニー&ウイングス
のトリビュート LIVE フェスティバル
WINGSFAN をプロデュースしてい
ます。このブログは私が日常生活
の中で興味を持ったことやウイン
グスや WINGSFAN などに関する
情報などを毎日掲載しています。 

wingsfan@wingsfan.net


オリコン 週間ランキング ザ・ビートルズ:Get Back
ザ・ビートルズ:Get Back Blu-ray コレクターズ・セット

ビートルズの映像作品 ザ・ビートルズ:Get Back 発売10週目の週間ランキングです。

映画 DVD 週間ランキング (2022/9/26付)
This Last
Week Week Title / Artist
1 (new) 映画『昨日より赤く明日より青く‐CINEMA FIGHTERS project‐』
2 (new) 世の中にたえて桜のなかりせば
3 (1) ワイルド・スピード/ジェットブレイク
4 (2) トップガン スペシャル・エディション
5 (new) キングスマン:ファースト・エージェント
15 (13) ザ・ビートルズ:Get Back DVDコレクターズ・セット

Thanks! ORICON STYLE

ザ・ビートルズ写真展&公式グッズ・ショップ 10月21日より開催
ザ・ビートルズ写真展&公式グッズ・ショップ 開催決定! ドキュメンタリー作品「ザ・ビートルズ:Get Back」、オフィシャル写真集「ザ・ビートルズ:Get Back」の発売を記念して ザ・ビートルズ写真展&公式グッズ・ショップ が東京・有楽町マルイで10月21日より開催されます。

ザ・ビートルズ写真展&公式グッズ・ショップ

ザ・ビートルズ写真展&公式グッズ・ショップ
会期 10月21日(金)~11月6日(日) 11:00~19:00
会場 有楽町マルイ 8Fイベントスペース SPACE7・8 (東京都千代田区有楽町2-7-1)
料金 入場無料

約50点以上に及ぶザ・ビートルズ写真パネル展と公式グッズのショップではオフィシャル写真集「ザ・ビートルズ:Get Back」や関連書籍、ドキュメンタリー作品「ザ・ビートルズ:Get Back」公式商品、最新商品も販売します。世界中より集められたビートルズ公式グッズやビートルズ関連書籍も大集合します。写真展はオフィシャル写真集の誌面写真に加えて、日本人で初めてビートルズを撮影したカメラマンとして知られる長谷部 宏の作品も数多く展示いたします。さらにビートルズ・ファンにはお馴染みの情報サイト MUSIC LIFE CLUB のメルマガ会員のかた、もしくはその場で会員になっていただいた方にはプレゼントもあり! 会場には歴代の MUSIC LIFE のビートルズ表紙をフィーチュアしたフォトスポットも登場します。

その他
・混雑時には、入場制限や入場整理券を配布する場合がございます。
・当日の状況によっては、お品切れが発生する場合もございます。
・転売目的でのご入場はお断りさせていただきます。
・記載の内容は予告なく変更になる場合がございます。

エポスカード会員さま限定 お買上げ抽選会
期間中、イベントショップにて3000円(税込)以上お買上げで、エポスカードのご精算もしくは、ご提示いただいたお客さまは1会計につき1回、THE BEATLES グッズが合計30名様に当たる抽選会にご参加いただけます。

A賞 アニメ・ザ・ビートルズ・コレクション Beatles Or Bust / コレクタブル 1名様
B賞 Tシャツ 9名様
C賞 ポスター 20名様

・B賞・C賞は売場にて販売している対象商品の中からお好きなものを1点お選びいただけます
・エポスカードはご本人さま以外ご利用いただけません。
・新規のご入会も会場にて承ります。
・抽選へのご参加は1会計1回とさせていただきます。3000円(税込)ごとではございません。
・いかなる場合もご精算を2回以上に分けることは出来かねます。
・抽選会はご購入した当日限りのレシートのみ有効とさせていただきます。
・レシートの合算は出来かねます。
・特典は無くなり次第終了とさせていただきます。
・抽選会の内容は予告なく変更になる場合がございます。
・他社クレジットカードでのお支払いの場合、抽選会の対象外となります。

ザ・ビートルズ写真展&公式グッズ・ショップ

Thanks! 有楽町マルイ

ジョン・レノン追悼ライブ Cray Beats 12月3日開催
ジョン・レノン追悼ライブ - 2022.12.3 The Cray Beats

ジョン・レノン追悼ライブ
日時 12月3日(土) 16:00 開場、17:00 開演
会場 荻窪ルースター (03-5397-5007 東京都杉並区上荻 1-24-21 協立第51ビル B1F)
出演 Cray Beats (前田 Teacher 和哉、山口大志、浅沼則明、金澤沙織、えり)
料金 3500円 (オーダー別)

ビートルズ・トリビュート・バンド、Cray Beats がお送りする、ビートルズナイト。12月はジョン・レノン追悼ライブです。普段は演奏しない、ジョンのマニアックなソロ・ナンバーもお送り致します。ご予約、お待ちしております! 氏名、人数、携帯電話番号を明記の上、rooster@mvc.biglobe.ne.jp までメール願います。

Cray Beats

Thanks! Cray Beats

【コラム】 「リボルバー」が今リリースされる歴史的意義
ビートルズのスペシャル・エディション・シリーズ最新作 リボルバー が10月28日に全世界同時リリースされる。このシリーズはビートルズのアルバムを「ニュー・ステレオリミックス」「未発表アウトテイク」「ハイレゾ音源」など様々なスタイルで再構築するもので、これまで「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」から「レット・イット・ビー」まで4作がリリースされ、今回が第5弾となる。1966年リリースの「リボルバー」は、ビートルズがライブバンドからレコーディングバンドへ、アイドルからアーティストへと進化してゆくターニングポイントに位置する作品として、彼らの最高傑作に挙げる人も多い歴史的名盤。2022年の今こそその価値を再確認したい、非常に意義あるリリースだ。

Revolver - The Beatles

本作の目玉は、数種類のCDパッケージのすべてに収録される「ニュー・スレテオリミックス」。近年のビートルズ作品を一手に引き受けるジャイルズ・マーティンによるリミックスだが、そもそもオリジナルの「リボルバー」はわずか4トラックの中に様々な音をダンゴ状態に詰め込んでいたため、ひとつずつの楽器の音を取り出すことは難しいとされていた。それを解決したのが昨年公開されたドキュメンタリー映画「ゲット・バック」で開発された新手法「デミックス」で、AIの最新技術を駆使して特定の楽器や歌声を抜き出すことができるようになり、その結果「リボルバー」のリミックスにゴーサインが出されたというわけだ。進取の気性で1960年代音楽シーンをリードしてきたビートルズが、2022年の今も最新の技術で世界をリードする。なんとも刺激的で楽しい出来事だ。ニュー・ステレオリミックスを一聴して感じるのは、それぞれの楽器をよりクリアで迫力ある音に配置し直すことに重点が置かれた、とても正攻法なものだということ。アルバム冒頭を飾るジョージ・ハリスンの「タックスマン」はポール・マッカートニーのベースがとんでもない太さで力強くグルーヴし、ポールの「エリナー・リグビー」はストリングス・アンサンブルの持つ緊張感がぐっと増し、ジョン・レノンの「アイム・オンリー・スリーピング」は、眠たげなボーカルや逆回転ギターなど細部のディテールがよりクリアに聴こえてくる。リンゴ・スターの歌う「イエロー・サブマリン」の波音を模した効果音は、水がしたたるように生々しく響き、特にヘッドホンで聴く時の楽しさは抜群だ。


アルバム後半、ポールの「グッド・デイ・サンシャイン」や「フォー・ノー・ワン」といったクラシカルなムードの楽曲は楽器の音をクリーンアップした程度の処理がとても好もしく、ジョンの元気いっぱいロックンロール「アンド・ユア・バード・キャン・シング」「ドクター・ロバート」なども、現役のライブバンドだった当時のビートルズの勢いそのままに、シャキシャキとしたスピード感ある音で楽しませる。ラストを飾る「トゥモロー・ネバー・ノウズ」のサイケデリックな効果音の乱舞は、音を左右にパンするなどの遊びを加えながら、1966年という時代性や当時のスタジオ内での実験性を尊重しつつ、2022年にリリースされる楽曲と並べて違和感なく聴ける音像に着地させている。全体的に、リスペクトと節度を兼ね備えた優れたリミックスと言えるだろう。しかし、身も蓋もない言い方をすれば、「リボルバー」はリリース当初のモノラルミックスやステレオミックス、近年のリマスターや今回のリミックスも含めて何度か音の改変がなされているが、何をどうしてもそもそもの楽曲自体がとてつもなく素晴らしいというところに行きつく。特にポールの才能の爆発は目を見張るほどで、のちのバロックポップのルーツとも言える「エリナー・リグビー」「フォー・ノー・ワン」や、ブラスロックの嚆矢となった「ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ」など、斬新な楽曲を次々と作曲。対照的にジョンは「アンド・ユア・バード・キャン・シング」などでより先鋭的なギターロックサウンドを追求し、当時のスタジオテクノロジーの粋を極めた「トゥモロー・ネバー・ノウズ」で、来たるべきサイケデリックの時代を見事に予見して見せる。ジョージ・ハリスンの成長もすさまじく、インド音楽を取り込んだ見事なラーガ・ロック「ラヴ・ユー・トゥー」をはじめ、1枚のアルバムの中に3曲も自作曲を入れて気を吐く。もちろん、それらすべての楽曲で完璧なリズムを刻むリンゴ・スター、4人の冒険を手助けしたプロデューサーのジョージ・マーティン、エンジニアとして多大な貢献をしたジェフ・エメリック、素晴らしいジャケットを描いたクラウス・フォアマンなど、「リボルバー」に関わったすべての人間が最高の仕事をしたことは言うまでもない。


「リボルバー」スペシャル・エディション日本盤は「5CDスーパー・デラックス」「2CDデラックス」「1CD」に各種LP盤を含む6種類。未発表アウトテイクを収録した「セッション」ディスク、1966年のモノラル・マスターテープを使用した「オリジナル・モノ・マスター」ディスクなどが付いたパッケージはマニア向けで、ほかに輸入盤仕様やアナログ盤、ストリーミングなど多様な聴き方が用意されているので好みのものをご自由に。どんな聴き方をしても「リボルバー」はビートルズ中期の傑作として、60年代ロック/ポップスの潮流を変えた重要作として、過去も現在も未来もその価値は変わらないはずだから。 (宮本英夫)

ビートルズ

Thanks! BARKS

56曲の著作権を1500万円で手放したビートルズの後悔
ビートルズ

ビートルズ」のデビューから60年が経った。世界的なヒット曲を生み出したが、その著作権は長らくメンバーから離れていた。元国税調査官の大村大次郎は「高すぎる税金から逃れるために権利を手放したが、それがビートルズを長年苦しめることになった」という。
(本稿は お金の流れで読み解く ビートルズの栄光と挫折 の一部を再編集したものです)

先見の明があったディック・ジェイムズの決断
ビートルズと共同で音楽出版社を立ち上げ、株の半分をビートルズに与えるということは、音楽出版社経営者のディック・ジェイムズにとっては損のようにも見える。しかし、彼はこの出版社にビートルズを参加させることで、彼らの歓心を買い、ビートルズと重大な契約を結ぶことに成功しているのである。その契約とは「1963年2月末から3年間、ジョンとポールのつくった曲は、すべてノーザン・ソングスに帰属する」というものである。つまり、ディック・ジェイムズは1963年から1966年までのビートルズの曲のほとんどの著作権を手に入れたということである。この契約が、のちにどれほどの財産になるかは、当時、だれもわかっていなかった。ディック・ジェイムズは非常に先見の明があったと言える。音楽出版社ノーザン・ソングスを設立したとき、ビートルズはまだ「プリーズ・プリーズ・ミー」の1曲しかヒットを出していなかったのである。それでも彼は今後もビートルズの曲は売れ続けると見越して、ノーザン・ソングスを立ち上げたのだ。

ジョンとポールの「とんでもない税金対策」
ノーザン・ソングスに所属しているのはジョンとポールだけだった。この売れ始めたばかりの若い二人の作品を管理するために、わざわざ会社をつくったわけである。つまり、ディック・ジェイムズはジョンとポールの作品は、それだけ大きな価値を生むようになると踏んでいたわけだ。マネージャーのブライアンと同じく、ビートルズの魅力を早い段階から認めていた人物だと言えるだろう。この先見の明により、ディック・ジェイムズは巨額の財産を手にすることができるのだが、最終的にはジョンとポールに恨まれることになる。このノーザン・ソングスはビートルズの躍進とともに急成長する。ビートルズの海外進出に従い、ジョンとポールの海外の著作権についても、ノーザン・ソングスが管理するようになった。海外に子会社をつくって、印税の取り分は現地が50%の手数料を取り、残りを英国に送金して、それをノーザン・ソングスとビートルズで半々に分けることになっていた。

9割以上の高い税率から逃れるため
1965年、設立から2年でノーザン・ソングスは株式を公開することになった。いわゆる上場である。500万株が新規発行され、そのうちの125万株が売り出されることになったのだ。ノーザン・ソングスの株は誰でも買えることになった。ビートルズがノーザン・ソングスの株式公開をしたのは、例の税金問題が大きく関係している。前述したように、ビートルズは高額所得者であり、当時の英国の税制では9割以上の高い税率が課せられる。そのため、なんとかして課税を逃れる術を探っていた。その方策の一環として、株式公開がされたのだ。株式公開すれば、もとの株主は多額の配当を受けることができる。当時の英国の税法では、この配当金には税金がかからないことになっていたのだ。この株式公開により、ジョンとポールはそれぞれ9万4270ポンド(当時の日本円で約1000万円)ずつ受け取った。すでに億万長者だった当時のジョンとポールにとっては、それほどの大金ではないが、税金のかからない収入は魅力があったのである。ただ、ジョンとポールはこの株式公開のあと、とんでもない税金対策をしてしまう。1963年から1966年までにつくった56曲のうち、作家取り分の権利をノーザン・ソングスに売ったのだ。

56曲の著作権を1500万円で売却
前述のように、ジョンとポールの曲の著作権印税は半分がジョンとポール、半分がノーザン・ソングスに行くようになっていた。このうち二人の取り分をノーザン・ソングスに売ったのである。そのため、1963年から1966年までにジョンとポールがつくった56曲の著作権は100%がノーザン・ソングスのものになったのだ。それでもノーザン・ソングスの株はジョンやポール、ブライアン、それにディック・ジェイムズという“身内”で持っていたため、それほど危険なこととは思っていなかった。この売却により、ジョンとポールは、それぞれ14万6000ポンドずつを受け取った。当時の日本円にして1500万円程度である。これもジョンとポールの資産から見れば、大した額ではなかった。しかし、この売却益には3割しか税金が課せられなかったので、税金対策としては魅力的だったのだ。後世の我々から見れば「ビートルズはなんてバカなことをしたんだ」と思う。「ビートルズの56曲の著作権」と言えば、とんでもなく貴重な財産である。ビートルズ・ファン以外でも想像がつくことだろう。しかし、当時はビートルズの楽曲がそこまで価値が出るとは、誰も思っていなかったのである。

「稼ぎどき」はとっくに過ぎたと思われていたが
当時、たしかにビートルズのレコードは爆発的に売れていたが、もうピークの時期は過ぎたと見られていた。ポップスのレコードは出した当初が最もよく売れ、その後はだんだん下がっていき、数年後にはほとんど売れなくなる。だからこの56曲も、当時の常識から見れば「稼ぎどき」はとっくに過ぎていたのである。レコードとしては、もうそれほど売れないだろうから、今のうちに著作権を財産に換えておけ、ということだったのだろう。「ビートルズのレコードが半世紀にわたって世界中で売れ続ける」などということは、当時は誰も知る由がなかったのだ。だから、この当時のビートルズ側の判断を責められるものではないだろう。又、ビートルズ自身がノーザン・ソングスの大株主なのだから、自分たちの曲が人手に渡るわけではない、という安心感もあった。しかし、やがてビートルズは「株式公開」が、いかに危険が伴うことなのかを大きな痛みとともに知ることになる。

株式の売却という身内の裏切り
ノーザン・ソングスが株式公開をしてわずか4年後の1969年、最大株主だったディック・ジェイムズはノーザン・ソングスの株を第三者に売却してしまう。株式公開しているので、そういうことはあり得ないことではなかった。そもそもノーザン・ソングスはビートルズの楽曲の版権を持っているため、いろんな企業、投資家の垂涎の的だった。が、ビートルズはディック・ジェイムズは一緒にノーザン・ソングスを起ち上げた身内だと思っていたので寝耳に水の話だった。もちろん、ディック・ジェイムズが株を売ったのには理由がある。この1969年当時にはビートルズは解散の噂がささやかれていた。彼からすれば、ビートルズが解散し、ノーザン・ソングスの株価が下がるのを恐れ、株の売却を考えていた。そこで大手テレビ局ATV(現ITV)に売ったのである。ただ、ディック・ジェイムズがノーザン・ソングスの持ち株をATVに売ろうとしたとき、ビートルズは「自分たちが買うから待ってほしい」と待ったをかけていた。しかし、彼はビートルズのもとへ出向き、説明はしたが、ATVへの売却の意思は変わらなかった。当時のビートルズはアップル社の大赤字により破産寸前の状態であり、とてもノーザン・ソングスの株を買い取る余裕はなかったのだ。

ビートルズ

自分の曲を演奏するために「使用料」を払う羽目に
株式公開当時、7シリング9ペニーだったノーザン・ソングスの株は、この売却時には約5倍の37シリングに跳ね上がっていた。ディック・ジェイムズは巨額の現金を手にした上に、300万ポンド分のATVの株も受け取ったのである。しかも、彼はノーザン・ソングスがATVに買収されると、ATV役員の席にちゃっかり収まってしまう。ビートルズとしては非常に裏切られた気持ちになったのだ。また、ビートルズはこのとき、さらに大きな過ちを犯している。ビートルズの新マネージャーとなったアラン・クラインの提案により、ビートルズ側も保有していたノーザン・ソングスの株をATVに売ってしまったのだ。アラン・クラインはディック・ジェイムズが売った価格の倍の価格でATVに買い取らせたので、ビートルズは、いったんは大きなお金を手にすることができた。経営破綻寸前だったアップルにとっては、かなりありがたい資金となった。しかし、ビートルズは将来的には大損することになる。ジョンとポールは、この時点でノーザン・ソングス社の株主ではなくなった。レノン=マッカートニーの楽曲の権利は、ほとんどノーザン・ソングスが所有している。そして、ビートルズがノーザン・ソングスの株主でなくなるということは、彼ら自身がつくった曲の権利を彼らはまったく持たないということになったのだ。そのため、ジョンとポールは、自分たちのつくった曲からの印税収入をまったく得られなくなるばかりか、自分たちが自由に演奏することさえできなくなったのだ。彼らは演奏するたびに、ノーザン・ソングスに使用料を払わなければならなくなったのだ。

ジョンとポールが夫婦で合作するようになった
ビートルズの仲が悪くなった1969年ごろから、ジョンとポールはそれぞれソロ活動をするようになる。が、ジョンは妻のヨーコ(最初の妻シンシアとは1968年に離婚した)と、ポールも妻のリンダと曲を共作するようになった。まるでジョンとポールが、お互い当てこすりをし合っているような構図だが、実はここにも「ノーザン・ソングスの問題」が大きく絡んでいるのだ。ジョンもポールも、契約により、1973年までは自分の作品はノーザン・ソングスに帰属することになっていた。つまり、ジョンもポールも1973年まではいくら曲をつくっても、作詞作曲の印税は入ってこなかったのだ。そのためポールは、曲を妻リンダとの合作とし、曲の権利を半分リンダに与えた。リンダはノーザン・ソングスと契約していないので、リンダの著作権はリンダのものである。つまり、リンダを共作者として入れておけば、ポールのつくった曲の著作権を半分もらえるということである。ジョンも、ヨーコとの共作とクレジットされている曲が何曲かあるが、それもこの契約問題が理由だと思われる。

漂流するビートルズの著作権
もちろん、ノーザン・ソングス側は納得がいかない。今まで曲をつくったことがない女性が、いきなり大作曲家と共作者になり、曲の権利を半分持っていくのである。ノーザン・ソングスは「契約逃れの意図は明らか」だとして、ポールとジョンを訴えた。この裁判はノーザン・ソングス側も、ビートルズ側とあまりこじれるのは得策ではないということで、かなり譲歩をして和解している。あまり強く主張して、ジョンとポールが曲を書かなくなっては元も子もないからだ。ジョンとポールの新曲の印税はノーザン・ソングスが持っていたが、二人は新たな曲を書く義務はなかったので、まったく曲を書かないという選択肢もあったのだ。ノーザン・ソングスは自社が所有するビートルズの楽曲の印税の半分を作家(ジョンとポール)に払い、残りの半分をノーザン・ソングスとビートルズ側の会社(ジョンとポールがそれぞれ新しくつくった会社)で分け合うことにしたのである。つまり、それまで100%ノーザン・ソングスに取られていたレコード印税をジョンとポールが75%ももらえるようになったわけである。ノーザン・ソングスから見れば、ビートルズは楽曲の権利をいったん全部売却したわけである。だから、ジョンとポールに著作権の印税の支払いをするいわれはまったくない。にもかかわらず、印税の75%もの支払いをすることにしたのだ。

ソニーの子会社にたどり着く
なぜ、このようにジョンとポールに有利な条件で、和解したのか? ノーザン・ソングスは、この和解と同時にジョン、ポールとの間で新たな契約を結んだ。ジョンとポールが1980年までに発表する曲の出版契約である。つまり、ノーザン・ソングスとしては、過去のビートルズの曲の印税を譲って、その代わり、これからのジョン、ポールの新作で稼がせてもらおうとしたわけである。しかし、ノーザン・ソングスはジョンとポールに対する印税の支払いには応じたが、曲の権利自体は保持したままだった。その後、ノーザン・ソングスの株はさらに売りに出され、ビートルズの楽曲の権利は漂流することになる。もちろん、ビートルズの楽曲の権利は超高値で取引されたので、相当の資産家ではないと入手できない。一時はマイケル・ジャクソンが手に入れた時期もあったが、スキャンダルの訴訟費用などの捻出のために手放し、現在はなんとソニーの子会社が所有している。2017年、ポールが著作権の返還を求める裁判を起こし、ソニーと和解したと見られるが、和解条件については公表していない。

お金の流れで読み解く ビートルズの栄光と挫折

大村大次郎
1960年生まれ。大阪府出身。元国税調査官。国税局、税務署で主に法人税担当調査官として10年間勤務後、経営コンサルタント、フリーライターとなる。難しい税金問題をわかりやすく解説。執筆活動のほか、ラジオ出演、「マルサ!!東京国税局査察部」「ナサケの女~国税局査察官~」などの監修も務める。主な著書に「あらゆる領収書は経費で落とせる」「ズバリ回答! どんな領収書でも経費で落とす方法」「こんなモノまで! 領収書をストンと経費で落とす抜け道」「脱税の世界史」ほか多数。

Thanks! PRESIDENT Online



本、雑誌、ムック
3/30 地図でスッと頭に入るイギリス
4/10 名曲!ビートルズ~乃木坂46
5月 ディスカバー・ビートルズ THE BOOK
5/26 初盤道 究極のアナログレコード攻略ガイド オリジナル・ファーストプレスを求めて(仮)
6/13 ポール・マッカートニー 1964 Eyes of the Storm
夏 「タッグ・オブ・ウォー」図鑑(仮)
年内 ポール・マッカートニー国内盤シングルレコード大全(仮)
年内 マル・エヴァンス伝記本

TV , ラジオ
3/31 10:55~11:00 らじるの時間 NHK-FM
3/31 10:55~11:00 らじるの時間 NHKラジオ第1
3/31 14:25~14:30 らじるの時間 NHKラジオ第2
3/31 23:55~24:00 らじるの時間 NHK-FM
4/9 13:00 ディスカバー・ビートルズⅡ NHK-FM
4/14 10:00 ディスカバー・ビートルズⅡ NHK-FM

CD
3/31 ビートルズ 1964・US・ファースト・アタック
3/31 ウイングス Live In Melbourne
3/31 ポール・マッカートニー Live In The USA 1993
3/31 ゲイリー・ムーア スティル・ゴット・ザ・ブルーズ (ジョージ・ハリスン参加)
4/7 ジョージ・ハリスン Live Collection
4/19 ウイングス オン・ツアー・ウィズ・ア・リトル・ビット・オブ・ベネルックス 1973
4/21 イアン・ハンター Defiance Part 1 (リンゴ・スター参加)
4/21 NOW That's What I Call Massive Hits #1s (ポール・マッカートニー曲収録)
4/21 エミット・ローズ Emitt Rhodes Recordings 1969-1973
4/22 リンゴ・スター Stop and Smell The Roses
4/26 マイク・ヴァイオラ ポール・マッカーシー
4/28 ジョージ・マーティン ビートル・ガール 1964-1966
5/19 ラー・バンド Clouds Across The Moon – The Rah Band Story Vol.2
5/26 ポール・マッカートニー Live On Air / Radio Broadcast Recordings 1990 / 1993
秋 ドリー・パートン Rock Star (ポール・マッカートニー参加)
年内 ヨーコ・オノ ストーリー
年内 ヨーコ・オノ シーズン・オブ・グラス
年内 ヨーコ・オノ イッツ・オールライト
年内 ヨーコ・オノ スターピース
年内? ローリング・ストーンズ (ポール・マッカートニー、リンゴ・スター参加?)

グッズ
3/31まで ザ・ビートルズ「リボルバー」Tシャツ・プレゼント
8月 BE@RBRICK The Beatles "REVOLVER"

イベント
3/31まで The Beatles:Get Back to Let It Be 展
4/1 ビートルズのチカラ! 東京・中目黒
4/2 ビートルズのチカラ! 東京・中目黒
4/7~9 レコードフェスタ大阪
4/8 13:00 アラウンド・ザ・ビートルズ2023 いま改めてビートルズの魅力を再検証
4/9 14:00 「プリーズ・プリーズ・ミー」発売60周年記念 ~デビュー前後のビートルズ~
4/15 14:00 AUTOMOBILE COUNCIL 2023 60年代はクルマと音楽の黄金時代~ブレッド&バター
4/15 16:00 AUTOMOBILE COUNCIL 2023 立川直樹 選曲 (ビートルズ他)
4/21 19:00 MUSIC LIFE ザ・ビートルズ リボルバー エディション 出版記念 ロック落語会
4/22 レコード・ストア・デイ Record Store Day 2023
4/23 14:00 NHKカルチャー ザ・ビートルズのアルバムデビュー60周年 語り尽くしの「THE BEATLES」
4/23 14:30 ビートルズを楽しむ
4/23 BACKBEAT プレビュー公演
4/28~5/3 BACKBEAT 兵庫公演
5/6~7 BACKBEAT 熊本公演
5/13 13:00 アラウンド・ザ・ビートルズ2023 いま改めてビートルズの魅力を再検証
5/19 18:00 MUSIC LIFE トークショウ in OSAKA
5/19~6/17 リンゴ・スター 北米ツアー
5/20~21 BACKBEAT 大阪公演
5/24~31 BACKBEAT 東京公演
5/28 Mojomo ビートルズデイ 2023
6/3 13:00 アラウンド・ザ・ビートルズ2023 いま改めてビートルズの魅力を再検証
6/7~16 藤本国彦と行くビートルズゆかりの地への旅 ロンドン・リバプール・ハンブルグ
6/10 12:00 ポール・マッカートニー研究会 梅の部対談 Vol.3 祝!赤盤・青盤発売50周年
6/11 12:00 ポール・マッカートニー研究会 梅の部対談 Vol.3 祝!赤盤・青盤発売50周年
6/24 ウクライナ支援コンサート (ポール・マッカートニー出演?)
6/28~10/1 Paul McCartney Photographs 1963–64 Eyes of the Storm
夏 Fender Flagship Tokyo

アナログ盤
4/7 イースト・オブ・エデン Snafu (ジェフ・ブリットン参加)
4/14 マイク・ヴァイオラ Paul McCarthy
4/21 イアン・ハンター Defiance Part 1 (リンゴ・スター参加)
4/22 ウイングス Red Rose Speedway 50周年記念限定盤
4/22 ジョン・レノン Gimme Some Truth 10インチEPボックス
4/22 リンゴ・スター Stop and Smell The Roses
4/22 エディー・マネー The Covers (ビートルズ曲収録)
年内 ヨーコ・オノ ストーリー
年内 ヨーコ・オノ シーズン・オブ・グラス
年内 ヨーコ・オノ イッツ・オールライト
年内 ヨーコ・オノ スターピース

映画
4/11 Little Richard:I Am Everything (ポール・マッカートニー出演)
4/16 19:00 トークイベント付き上映 ジョン・レノン ~音楽で世界を変えた男の真実~
4/21 Little Richard:I Am Everything (ポール・マッカートニー出演)
4/30 10:20 トークイベント付き上映 ジョン・レノン ~音楽で世界を変えた男の真実~
4/30 13:00 トークイベント付き上映 ゲット・バック
年内? Man on the Run
年内? Daytime Revolution (ジョン・レノン&オノ・ヨーコ出演)

Web配信
4/21 Little Richard:I Am Everything (ポール・マッカートニー出演)

4K Ultra HD , Blu-ray , DVD
4/26 ミーティング・ザ・ビートルズ・イン・インド DVD