つれづれなるままにWINGSFAN
Tribute Vlog for Paul McCartney & Wings
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「レット・イット・ビー」作品解説 その6 リミックス盤の聴き所 Disc 4, 5
レット・イット・ビー スーパー・デラックス・エディション

「レット・イット・ビー」のスペシャル・エディションの聴きどころを中心にこれまで紹介してきたが、今回はディスク4と5についてまとめてみる。ディスク4には、幻のアルバム「ゲット・バック」が丸ごと収録され、ジャケットのデザインも含めてついに公に発売されるという、ファンにとっては「待望の」と言ってもいい内容となった。作品解説の2回目にも触れたが「ゲット・バック」は「レット・イット・ビー」の元になったアルバムだった。1969年1月のゲット・バック・セッションでサウンド・プロデューサーをつとめたエンジニアのグリン・ジョンズが1969年5月と1970年1月の2度にわたってアルバムとしてまとめたものの、ビートルズ(特にジョンとポール)に却下されたといういわくつきのアルバムでもあった。その後、1970年の3月から4月にかけて、代わりに登場したフィル・スペクターがそれらの音源を元に、新たにオーケストラやコーラスなどを加え、曲も一部変更してまとめた。それがビートルズの最後のスタジオ・アルバム「レット・イット・ビー」として同年5月に発売されたという流れだ。ちなみに、グリン・ジョンズが2度目に手を付けた「70年版」は映画「レット・イット・ビー」の内容に合わせて改変されたもので、「69年版」に収録されていたポールの「テディ・ボーイ」の代わりに映画に登場する「アクロス・ザ・ユニバース」と「アイ・ミー・マイン」の2曲が追加されるという内容の変更があった。フィル・スペクターが手掛けた「レット・イット・ビー」も、その「70年版」に添った曲目での収録となっている。今回、ディスク4に収録された「ゲット・バック」は「69年版」に則った内容(曲目)だが、音源に関しては「70年版」のものも一部使われている。「70年版」収録の「アクロス・ザ・ユニバース」と「アイ・ミー・マイン」は今回、4曲入りの「EP形式」となったディスク5に収められている。では、ディスク4「ゲット・バック LP - 1969 グリン・ジョンズ・ミックス」とディスク「レット・イット・ビー EP」の聴きどころをトラックごとに紹介する。

Disc 4 ゲット・バック LP - 1969 グリン・ジョンズ・ミックス

ワン・アフター・909
「レット・イット・ビー」収録テイクと同じく1969年1月30日のアップル・ビル屋上での演奏だが、出だしにビリー・プレストンのエレキ・ピアノの音が入ったり、ジョンとポールのボーカルが左右に分かれて聞こえたりするなど、臨場感(ライヴ感)はこちらのほうが上。「オーディションに受かってるといいんだけど」という屋上でのジョンの締めの言葉(ジョーク)がこの曲の最後に出てくるのが独特。

メドレー:アイム・レディ(aka ロッカー)/セイヴ・ザ・ラスト・ダンス・フォー・ミー/ドント・レット・ミー・ダウン
ゲット・バック・セッションでは肩慣らしや気分転換を兼ねて、昔馴染みのロックンロールやR&B、いわゆるスタンダード・ポップスなどが(いきなり)即興で飛び出してくることが多々あるが、これはその雰囲気がよく伝わるテイクだ。1月22日にビリー・プレストンが参加した日の演奏で、ポールがファッツ・ドミノの「アイム・レディ」とドリフターズの名曲「ラストダンスは私に」を歌ったのに続き、そのまま「ドント・レット・ミー・ダウン」へとなだれ込む。ノリの良い演奏で、これを聴くと、ビリーの参加で4人のやる気に火が点いたのがよくわかる。

ドント・レット・ミー・ダウン
同じく1月22日の演奏で、セッションの和気藹々とした雰囲気が伝わってくる。ビートルズ側が当初意図していた「ゲット・バック」の精神(のようなもの)の象徴的な曲の一つと言えるかもしれない。

ディグ・ア・ポニー
曲が始まる前に会話がふんだんに入っているのも「ゲット・バック」ならではの聴きどころだが、前の「ドント・レット・ミー・ダウン」から次の「アイヴ・ガッタ・フィーリング」までは1月22日の演奏で、ゲット・バック・セッションでの“一発録りによる生々しさ”を伝える好例でもある。

アイヴ・ガッタ・フィーリング
当初、「ディグ・ア・ポニー」と「アイヴ・ガッタ・フィーリング」は、間を置かずに続けて演奏するイメージでいたことが前曲でのジョンの発言でわかる。ただし、その2曲とも、演奏の良さは30日の屋上での演奏のほうが圧倒的に良く、そのあたりが「ゲット・バック」がお蔵入りした原因になったのかもしれない。

ゲット・バック
1月27日と28日に演奏されたテイクを(最後のブレイク前後に)つないだシングル・バージョンと同じ演奏。

フォー・ユー・ブルー
「ゲット・バック」のLPのB面には元々ジョージのこのブルースが収録されていた。これも「ゲット・バック」と同じくオフィシャル・バージョンと演奏は同じ1月25日のテイクだが、70年1月8日にジョージがボーカルと間奏のアドリブ・ボーカル(しゃべり)を録り直したため「69年版」と「70年版」では一部異なっている。

テディ・ボーイ
「ゲット・バック」の「70年版」制作の際に、ポールが録音中だった最初のソロ・アルバム「マッカートニー」にこの曲を収録する予定があったため、「69年版」だけに収録された曲。「アンソロジー 3」には1月24日と28日の演奏が一つに編集されたバージョンになっていたが、こちらは24日だけのテイク。合いの手で入るジョンのアドリブ・ボーカルが良い味。

トゥ・オブ・アス
「テディ・ボーイ」に続いてすぐに始まる、同じく1月24日の演奏。これも「レット・イット・ビー」に収録された31日のテイクに比べると、全体的に“リハーサル感”はぬぐえないが、それもまた「ゲット・バック」の魅力ではある。

マギー・メイ
同じく1月24日の演奏で「レット・イット・ビー」収録バージョンと演奏は同じだが、エンディングはフェイドアウトする。

ディグ・イット
「レット・イット・ビー」には「レット・イット・ビー」の導入部として50秒しか収録されていなかったが、こちらは4分を超える長尺版での収録となった(といっても元の10分を超える演奏を短く編集)。映画「レット・イット・ビー」ではこれと同じく長い演奏場面が観られたが、映画「ザ・ビートルズ:Get Back」ではどうなっているのだろうか。1月24日の演奏に、26日の「キャン・ユー・ディグ・イット?」演奏後のジョンのコメントを編集して収録。

レット・イット・ビー
ゲット・バック・セッションの最終日となった1月31日の“生演奏”を収録したものだが、間奏のジョージのリード・ギターは4月30日にダビングされたもの(シングル・バージョンと同じ)が使われている。「ゲット・バック」、シングル、「レット・イット・ビー」、そして「レット・イット・ビー...ネイキッド」と、表情の異なる4バージョンがこれで楽しめることになった。

ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード
「レット・イット・ビー」用にフィル・スペクターが加えたオーケストラや女性コーラスのない、生々しい ― というよりも瑞々しいテイクで、「レット・イット・ビー」と同じく飾り気のない4人(+ビリー・プレストン)の味わい深い演奏が存分に堪能できる。映画「レット・イット・ビー」に登場する1月31日の演奏もいいが、こちらは26日の収録。

ゲット・バック(リプライズ)
アルバム「ゲット・バック」の最後に、「ゲット・バック」のシングル・バージョンのエンディングのコーダを持ってきたのは、グリン・ジョンズならではの抜群のセンス。しかも、シングル・バージョンや映画「レット・イット・ビー」よりも長く楽しめるというのがいい。

以上、全14曲を通してみてみると、ほぼ日にち順に曲が並んでいる。「ゲット・バック」は映画「レット・イット・ビー」のサウンドトラック的役割を果たしていたということが改めてわかる。

Disc 5 レット・イット・ビー EP

アクロス・ザ・ユニバース(未発表 グリン・ジョンズ 1970ミックス)
「ゲット・バック」の「70年版」に収録されたテイクだが、新たに録り直されることはなく、1968年2月のシングル「レディ・マドンナ」のセッションの際にレコーディングされた音源に手が加えられた。「アクロス・ザ・ユニバース」もチャリティ・アルバム(「パスト・マスターズ」にも)収録の“バード・バージョン”、「レット・イット・ビー」「レット・イット・ビー...ネイキッド」、そして今回ディスク1に収録されたリミックス・バージョンと、テンポもキーもサウンドも異なるテイクが数多く残された。冒頭にジョンからリンゴへの呼びかけが入っているのはライヴ感を出すためだろう。

アイ・ミー・マイン(未発表 グリン・ジョンズ 1970ミックス)
こちらはジョンが脱退を内輪で表明した後。1970年1月3日にスリートルズ(ジョージ、ポール、リンゴ)でレコーディングされた、ビートルズとしての最後のオフィシャル録音曲。冒頭にジョージからリンゴへの呼びかけが入っているのは「アクロス・ザ・ユニバース」を受けてのグリン・ジョンズによる気の利いた編集だ。オリジナルはサビを繰り返さず、2分に満たない短い演奏だった。

ドント・レット・ミー・ダウン(オリジナル・シングル・バージョン ニュー・ミックス)
シングル・バージョンだが、今回は冒頭に1月28日のレコーディング前の会話 ― 「違うのをやろう」というポールの呼びかけにジョンが応えるやりとりが追加された新たなバージョンとなった。冒頭のジョンのボーカルからして、力強さや艶やかさはこれまでに聴いたことがないくらい生々しい。素晴らしいテイクだ。

レット・イット・ビー(オリジナル・シングル・バージョン ニュー・ミックス)
「ドント・レット・ミー・ダウン」と同じく今回新たにミックスし直されたシングル・バージョン。全体を包み込むようなサウンドの広がりが耳に新鮮。フィル・スペクターによる「レット・イット・ビー」収録テイクに比べると、1970年1月4日にリンダも参加してレコーディングされたコーラスなどがより鮮明に聞こえる。


「レット・イット・ビー」の「スーパー・デラックス・エディション」には5枚のディスクに加えて、もう1枚ブルーレイ・ディスクも収録されている。内容はディスク1の「オリジナル・アルバム ニュー・ステレオ・ミックス」のハイレゾ(96kHz/24-bit)、5.1サラウンドDTS、ドルビー・アトモス・ミックスによる高音質の音源が収められている。また、100ページに及ぶ豪華ブックレットには関係者 ― ポール・マッカートニーの序文、ジャイルズ・マーティンのイントロダクション、グリン・ジョンズの回想記、ケヴィン・ハウレットの解説、映画の公式写真集「ザ・ビートルズ:Get Back」にも原稿を寄せたジョン・ハリスのエッセイが掲載されている。イーサン・A・ラッセルとリンダ・イーストマンによる珍しい写真も満載だが、それだけでなく、手書きの歌詞やセッションのメモ、スケッチ、手紙、テープ・ボックスなど、マニアにはたまらない数々の写真も掲載されている。

Thanks! ユニバーサル ミュージック

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